私の息子は長男25歳、次男23歳。今年の春に2人とも就職で、関東の方に行ってしまいました。
おそらく、もう一緒に生活する事はないと思っていますが、こども達が結婚して、もしこどもができたら、嬉しいだろうなと最近想像することがあります。
私の同級生からの
「孫が生まれました~。かわいいです」というSNSの投稿を目にするようになりました。
こども世帯と離れて生活している家庭は増えていると思います。遠く離れていると、年に1,2回会えれば良い方なのかも知れません。
しかし、こども夫婦にこども(孫)が生まれれば、また、こども世帯との関係も変わってくるのではないでしょうか。
私の知り合いも、遠方に息子さん夫婦がいて、初孫が生まれるために、協力をお願いされて、しばらくの間、息子さん夫婦のところに手伝いに行っていたと話していました。
孫ができると、またこども世帯との関係も変化があります。
そこで、
グランド世代が、自分の人生も楽しみつつ、自分の子供や孫との良好な関係を築いていくにはどうしたらいいのでしょうか。
孫の親が子育てを祖父母に頼ることと、祖父母が孫の世話を引き受けることについての考え方(全体)
これは、第一生命経済研究所の北村氏が
「祖父母による孫育て支援の実態と意識― 祖父母にとっての孫育ての意味 ―」というテーマで実施した調査資料の一部です。
このグラフだけでは読み取れないのですが、前段の調査で、子育てについての設問があり、子育てについて
「子育ては、祖父母を頼らず、親自身で行うべきだ」という考え方にそう思うと答えた人は、祖父母の約8割を占めています。
このような考えをもつ人は、孫の面倒をみた経験をもつ人の8割近くを占めています。
一方で、孫の世話についての設問について
「孫の世話は大変だが、娘や息子のためには引き受けるべきだ」という考え方にそう思うと答えた人は祖父母の約7割を占めています。
このような考えをもつ人は、孫の面倒をみた経験をもつ人では8割前後、面倒をみた経験をもたない人でも6割前後を占めています。
本来であれば、祖父母を頼らず、親自身で行うべきだという考えを抱きながらも、一方では娘や息子のためには引き受けるべきだとする複雑な意識を抱いていることがわかります。
共働きが当たり前になってきた現代、子育てのために退職する選択をする家庭も少なくなってきている一方で、保育所になかなか入れない、こどもが病気やけがをした時の預け先など、まだまだ社会の子育てしやすい環境整備は充分ではないと思います。
同居している、もしくは近くに祖父母がいる場合、祖父母の協力は、育児支援の資源としてはとても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
そして、祖父母自身も、大変だけど協力してあげたいと考えているのです。
そこで、少し長くなりますが、自分自身の体験談を。
私の体験談~孫フィーバーした姑の暴走
ママ返り。
「これは働いていた女性に多く見受けられる現象です。どうしても家事・育児の負担が重くなりがちな女性は、仕事との両立に必死にならざるを得ず、子育てに対する悔いがたくさん残っている方も多いわけです。そこで退職したころに孫が生まれたりすると、まるで『2回目の子育て』のような気持ちになってしまう」
尾木ママで知られる教育評論家 尾木直樹氏
義母は55歳で定年退職し、ちょうどそのタイミングで私達にこどもが生まれました。
義母にとって、孫は6人目。でも、義母にとっては一緒に暮らす孫であり、長男のこども、男の子、全てがうれしかったようで、特別だったのです。
私は産後休暇と育児休暇を少しだけとって、すぐ職場復帰しました。
そこから、嫁姑のバトルが勃発。
義母は、(私の)長男を抱っこして離さない。仕事から帰宅したら、せめてこどもとの時間を大事にしたいと思っていたのに、全然、こどもを離してくれません。
仕事で日中世話をしてもらっている手前、義母に強く言う事もできず、しばらく我慢しましたが、どっちが母親だかわからない。
「可愛いのはわかるけど、行き過ぎだ。親が帰宅したら、育児は親にバトンタッチ」ということを夫に離し、義母にも伝えてもらいました。
でも、うちの義母はあまりピンとこなかったのでしょうか。言われて数日の間はちょっと変わりましたが、あっという間に元通り。これでは、精神的にまいってしまいます。
その後、2人目、3人目とこどもを出産しましたが、妊娠するたびに、喜びの気持ちと同時に、こどもを巡ってはじまるバトルを想像し精神的なストレスはかなりのものでした。帰宅して、夕食が済んだらすぐ2階にあがり、休日はほとんど実家に行きました。距離をとるしかなかったのです。
義母の場合、かなり極端な例なのかも知れませんが、こんな嫁姑問題は程度の差はあれ、よくあるのではないでしょうか。
祖父母として大事な心構え
・祖父母の役割はあくまでも「後方支援」に徹すること ・私は私、孫は孫 ・価値観を押しつけない
・祖父母の役割はあくまでも「後方支援」に徹すること
育児の主体はあくまでもこども夫婦。こども夫婦が困っている時に協力をするというスタンスを忘れないことです。
孫は可愛い、嫁は他人だけど孫は血がつながっている、独占したいなど、抑えきれない愛情があふれてくるのかも知れません。しかし、自分の立場をわきまえ、親子関係の形成がこども家族に何よりも大切であることを考えれば、自然とこどもや孫への距離感も上手くつかむことができるはずです。
「この子は『孫』であって、自分の子供ではない。私が育てるわけではないという、ある一定の距離感を持つ気持ちです。少子化の時代、どうしても“待望の孫”“初孫”が誕生したとなると、ついつい気持ちが孫にのめり込んでしまうこともあります。でもその子の『親』はあくまでも、自分の子供とその配偶者なのだという意識をもつことです」
子育てコンサルタントの川村都さんより
・私は私、孫は孫
孫が小さなうちは、子育てに協力することが多くても、成長と共に協力する場面は減ってきます。孫との時間以外は、自分のための時間を大切にし、楽しみや生きがいを見つけることが大切です。
・価値観を押しつけない
時代とともに子育ての情報も変わってきています。昔、正しいと思っていたことが、いまは違ったり、育児に関する常識、情報も変化しているので、「経験したから」と一方的に価値観を押しつけずに、助言する事がもしあれば、まずはこども夫婦の話や考え方をよく聞くことです。
まとめ
結婚しない、こどもは望まないなど、生き方も多様化している時代、こんな話をしているのも、時代遅れなのかも知れません。
しかしながら、少子高齢化でまだまだ子育て支援の社会的基盤が整備されてない日本においては、私達世代、「ジジ」「ババ」予備軍は、孫が生まれた時、力強い大きな育児支援となる資源です。
直接、関わる機会が無いとしても、精神的な支えになることは確かです。
厄介な「ジジ」「ババ」にならないよう、心構えをしたいものです。
良い関係を保つには、祖父母という立場でこども世帯と「距離感を持つこと」
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