認知の歪みとは~代表的な10の項目

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認知の歪みとは

私達は、生きていく中で、これまでの自分の体験などによって評価して、物事を解釈します。それに従って、気分や感情がうまれ、行動につながっていきます。

同じ出来事に遭遇しても、人によって認識の仕方は違います。

「そのままの現実」として受け止めることはできません。

しかし、認知の仕方が歪んでくると、その人にとって、出来事がすごく辛かったり、大きな悩みになったりと生きづらさが出てくるものです。

私はうつ病で苦しんでいた時、職場の健康相談室で月1回受けられる、「カウンセリング」を受けました。

派遣で来ていた臨床心理士さんが、私のかかりつけ医の所属の方だったからです。

カウンセリングでは自分がつらいと感じている事や、病気や仕事、家庭生活への不安について聞いてもらいました。基本的にはカウンセリングでは、

・訴えをよく聞いてもらい、受容してもらう

・様々な、訴えや不安について、一つ一つ「なぜ、そう思った(思う)か」「あなたはそう考えた」「違う見方はないか」

そんな面談を繰り返しているうちに、自分の認知に歪み(偏り)があることがわかりました。面談を受けに行って、今まで自分でも意識していなかった歪みがあることに気づいたのです。

面談を通じて、ずいぶん気持ちが楽になったのを覚えています。

うつ病の治療は勿論、精神科医が症状を聞いて診断し、薬物療法などの症状に合わせた治療を行うのですが、カウンセリングは自分の内的な部分(思考のくせ)にアプローチをして、その歪みやくせを修正していく作業でした。(病院で行うカウンセリングは医師の指示が必要なようです)

うつ病に限らず、自分の認知に歪みや思考のくせがあると、ネガティブな考えになったり、うまくストレスに対応できなくなります。

自然思考とは

自動思考とは、特に自分が意識しなくてもパッと頭に浮かぶ思考のことです。

例えば、職場で挨拶をしたのに、返事が返ってこなかったとします。「聞こえなかったのかな」と受け止め気にしない人もいれば。「無視されたのかな」「嫌われているんだろうか」と思いうかべる人もいます。

このように、思考にはくせがあるのです。このくせが認知の歪みを引き起こします。

認知の歪みの代表的な10項目

1,白黒思考

全ての物事を白か黒ではっきりさせなければ気が済まないことを言います。

ちょっとした失敗をしても、「もうダメだ」と落ち込んだりします。

実際、ちょっとの失敗でも、他の部分は良かったり、人間全てにおいて、100%完璧ということは無いはずなのですが、白か

黒かはっきりさせたいという完璧主義的な思考が強いと、ちょっとした発言や行動で、相手のことを良い人か悪い人か判断し

たり、評価を0か100かで見てしまう傾向があります。

自分が行動したことに対する振り返りや自己評価についても同様で、満足できることが少なくなります。

2.過剰な一般化

たった1度や2度起こったことでも、まるで「常に」起こるかのような思考を言います。

例えば、たまたま飲んだ薬が効かなかったとすると「薬なんか飲んでも病気は治らない」と思うなどです。

3.ポジティブ要素の否定(マイナス思考)

テストで90点をとっても、「良い点数だった」と受け取るより、「どうして、間違ったんだ」と悪い方に目がいきやすく、評価が低い人などです。

4.結論への飛躍

ちょっとした出来事から、悲観的な将来を決めつけたり、相手のちょっとした発言で「きっとこう思っているに違いない」「私のことを悪く言っているはずだ」と決めつけてしまうといったことが挙げられます。

5.フィルタリング

良いところを見ず、悪いところばかりをみてしまいます。

こうしたフィルターがかかっていると、実際には良いことが起こっていても、悪い部分しか見えないため、全体を通して「悪いものだった」という評価をしてしまいます。

6.感情に基づいた判断

自分の感情にもとづいて、物事を判断してしまいます。「(人と話しをして不快に感じると)相手は私のことが嫌いなんだ」と考えるなどです。

7.過剰な拡大解釈、縮小解釈

少し良くないことが怒ると勝手にその先まで連想し、最悪の事を考えたり、物事を大げさにとらえます。

自分のことに関しては、マイナスな事は大きく、良いことは小さく評価します。

8.ラベリング、レッテル貼り

たった一度起きたことや一部の性質によって、自分や他人にネガティブなレッテルを貼ってしまうことです。

たった一度のミスで、「私はダメな人間だから、もうなにも挑戦できない」とマイナス思考になったりします。

9.個人化と非難

自分に一見関係のないことであっても、自分の責任に結び付けることです。

「家族の仲があまりよくないのは、私が明るくなかったからだ」のように、本当は自分に責任がなくても、自分のせいにしてしまいます。

10.「すべき」化

ものごとや出来事に対して、「~すべき」「~であるべきだ」といった理想像のようなものが必ず存在しているかのように考えることです。

それが守られなかったり、できなかったりしたときに、激しく落ち込んでしまいます。また、相手がそれをしてくれなかったときは、イライラしたり失望したりすることになります。

認知の歪みを修正していく方法

さて、皆さんは何個当てはまりましたか?

認知に歪みのない人は、ほとんどいないんじゃないかと思います。歪みという言葉より、やはりその人の思考のくせと言った方が、しっくりくるような感じがします。

思考のくせはある意味その人を形成している、特性でもあり、悪いことではないと思いますが、先に挙げたように、くせが強い人はそのことで、生きづらさやストレスを抱えてしまいます。

ちなみに私は、 3.ポジティブ要素の否定(マイナス思考) が強く、「できて当たり前」「どうしてできないんだ」「能力のない人間」位まで思ったことがあります。忙しくて心に余裕がなく疲れていた時は特に顕著でした。

また、うつ病を発症していた頃は、7. 過剰な拡大解釈、縮小解釈 もありました。良くないことが怒ると、様々な事を連想しあたかもこうだったに違いないと思い込んでいたことがあります。10.「すべき」化もあてはまります。

元々、あった思考のくせが、ストレスで極端に表出したように思います。

そんな、認知の歪みを修正していくためには、まずは自分自身を知ることが大切です。

病気の人に限らず、認知の歪みを修正することに役立つと思うので、ぜひ実践してみてください。

◆紙に感情を書き出す

まずは、身の回りで起きたことや自分が感じたことを、紙に書き出してみましょう。特に、周囲との違いを実感した出来事について整理してみます。起きたことはなるべく客観的に、気持ちはなるべく率直に書き出すといいでしょう。書き出したものを、代表的な認知の歪みと照らし合わせて、自身の考え方のクセに気づくことができれば、第一ステップはクリアです。

次に、その感情に伴う行動を変えるように意識していきます。感情はすぐに変えることはできませんが、行動は比較的変えやすいはずです。行動から変えていくことによって、感情や考え方のクセも整合性を取るようになり、変わっていきやすくなります。

最後に

私は病気をして、カウンセリングを受けて初めて、認知の歪み、思考のくせを知りました。特に精神的に弱っているときは、自分を客観的に見ることは難しく、臨床心理士さんと面談して初めてこんな偏りがあることを認識しました。

今現在は、自分のこともかなり客観視できるようになり、嫌な出来事やストレスに感じる事があっても、和らげることができるようになったと思います。

ぜひ、皆さんも、生きづらさやストレスを抱えていたら、紙に書き出して、自分の考え方のくせを理解して生きづらさを解消してほしいと思います。

*参照、引用:うららか相談室コラム

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