絶対避けたい「介護離職」～回避するために今から知っておきたいこと

50代になると、子育てもひと段落．．．と思いきや、今度は親の介護問題に向き合う世代です。

私の両親は2人とも癌で亡くなりましたが、母は在宅療養、在宅で看取ったので介護を経験しました。

認知症の義母は、介護の在宅サービスを活用しながら、不定期バイトで働く義姉がみています。

現在、介護の問題のない人でも、両親や義父母がいれば、いずれ直面する問題です。介護される親の状態や程度によって、だいぶ負担は変わりますが、困った親を放っておくことはなかなかできないでしょう。

親の介護で問題になってくるのは大きく2つあります。

１．仕事と介護の両立

２．身体的・精神的負担の大きさ

１については、総務省の調査で50代の10人に1人が働きながら介護しているという結果が出ています。一方で、両立ができず離職を選ぶ人も多く、内閣府委託による株式会社大和総研様の調査報告書『介護離職の現状と課題(2019）』によると、2017年の介護離職者数は約9万人となり、2007年に比べておよそ2倍に増えています。

そこで、今回は「介護離職」の問題点と回避するために知っておきたいことをまとめてみました。

介護離職をすることのリスク

１．自分の継続して得られる安定収入がなくなる

親に十分な資産があれば、使える民間のサービスなど利用して、問題解決できる場合も多いのですが、十分が資産がないから、介護離職して、自分達で介護することになるのです。

そのうえ、介護は何年続くかわかりません。長くなるほど、仕事を離れ無収入な状態であれば、今度は、親子で共倒れしてしまいます。

２．自分の老後にも影響する

会社員で働いていた場合などは、厚生年金の積み立てが止まってしまうので、次の再就職までのことを考えると、自分の老後にもらえる年金が減ってしまいます。

３．介護が終わった時、年齢的に十分な収入をえられる再就職先が見つからない

仕事を選ばなければ、見つかるでしょう。ただ、離職前のような収入を得ることは非常に難しいです。

介護離職を回避するために

１．勤務先と相談して出勤日や業務時間の調整ができないか確認する

私の場合は小さい会社ですが、上司に事情を話し、お休みをいただくことができました。小さい会社だから配慮してもらえたということもあります。

２．介護休業制度等の両立支援制度の活用をする

育児・介護休業法などの法律に基づいて「介護休業」「介護休暇」「介護による時短勤務等の措置」「所定外労働・時間外労働・深夜残業の制限」を利用できます。

会社に制度が無いから無理ということではありません。法律に定められているので、利用できることを知っておいてください。

ただ、制度があっても、「自分の仕事を代わってくれる人がいない」「職場に迷惑をかけてしまう」「こんな休みをとったら人事評価が低くなるのでは」などという現実もあり、現在、思うほど積極的に利用されていませんが、国も積極的にこの制度を進めていますし、理解のある会社であれば、今の時代、相談に乗ってくれるのではないかと思います。

３．自分一人で抱え込まない

介護する人に多く見られがちなのは、一人で問題を抱え込んでしまうこと。

家族、兄弟姉妹や相談しながら、公的なサービスを積極的に利用することです。

介護認定を受ければ、日中はデイサービスやヘルパー、宿泊ならショートステイというサービスもあります。介護支援専門員（ケアマネジャー）が本人や家族にあったケアプランを作成し、サービスの利用を調整してくれます。

私の母も、介護認定を受け、在宅の介護サービスを受けました。終末期だったので、在宅医療（訪問診療と訪問看護）の調整、ヘルパー、訪問入浴などのサービスを受けて、日中1人にしておくのは不安でしたが、私が仕事に行っている間に、ヘルパーが昼、夕、訪問看護が午前に来てくれて、亡くなる前日までお風呂に入ることができました。

やはり、介護のプロなので、相談すると色々な事を調整してくれます。

まとめ

親の介護問題はいつ、突然起こるかわかりません。ただ、心構えをしておく必要はあります。

・親の懐事情を知っておく（なかなか聞きづらいかも知れませんが）介護に使えるお金がどの位あるのかを知る。

・元気だと思っていても、徐々に老いていくことを頭におき連絡をとりあい、日常生活の様子を知っておく。（離れて暮らしているとちょっとした変化に気づけず、気がついた時は、介護問題にいきなり直面する）

・親しいご近所付き合いがあるなら、実家に行った時に挨拶しておく。（近所からの情報は大事です）