私はビールが好きです。お酒全般、何でも飲める方ですし、たぶんかなり強い方。
ちょっとの量では酔わないし、顔にも出ません。でも、家での晩酌はほとんどしません。いや、数年前からやめました。
アルコールとの付き合い方を改めたんです。
若いころから、飲み会も大好き。必ず飲む。2次会、3次会とハシゴしていい気分で帰宅。翌日は少し酔いが残る日もあるけど、楽しかったと満足。
うつ病を発症して、家にいるようになってから、飲み会も無くなり、お酒を飲む機会が一気に減りました。それはそれで、なにもありませんでしたが、少し体調も安定したころ、冷蔵庫にあったビールを久し振りに飲んで、すごく美味しく、気分が高揚したのを感じたのです。
それから、夜になると、毎日ビールの缶を開けるようになり、350mlが2本、3本、段々足りなく感じて、500mlを1本、2本と飲む量が増えていきました。
量も増えましたが、夕飯の支度のために台所に立つと、ビールが飲みたくなり、調理をしながら飲み、そんな状態がしばらく続きました。いわゆる「キッチンドリンカー」です。
そのあたりから、自分でも何か、この飲み方おかしいぞと気がつきました。
決定的だったのは、夕方になるとそわそわしだし、車の運転などの用事は済ませ、4時頃にはビールの缶を開けるようになったことです。
「もしかして、アルコール依存のはじまりかも?」と思うようになり、飲むのを止めてみました。
さいわい、精神的依存はまだ強くなかったようで、飲む習慣はやめることができましたが、今考えるとゾッとします。
依存症になったら、飲酒のコントロールができなくなるので、断酒しなければなりませんが、私の場合、そこまで行ってなかったようで、いまでも、たまにお酒は飲みます。ただ、以前のように量も飲めなくなりましたし、飲みたいと思わなくなりました。
さて、そんな私の体験談ですが、アルコール依存症って、お酒が弱い人がなるイメージだったのですが、色々調べると、お酒の強い人の方がなりやすいのです。すごく納得でした。
アセトアルデヒドの分解能力が高い人は、飲んでも酔わないし、2日酔いしにくい体質です。そして、飲酒で高揚感が得られる人は脳のアルコールに対する感受性が高いのです。
上記に当てはまる人は、飲酒行動を繰り返しやすくなります。
酔わないので、飲酒量は次第に増えていきます。
アルコール依存症になりやすい人は?
・お酒が強く、飲むと高揚感を得られると感じる
お酒の量が増えて、飲酒行動がエスカレートしやすい
・女性である
ホルモンの影響があると言われています。依存症になるまでの期間が、男性より女性の方が短いことが調査でわかっています。また、女性のライフイベントにも影響があると言われています。
・真面目で几帳面
アルコール依存症の人は「ルーズ」「だらしない」というイメージがあると思いますが、だらしないからなるわけではありません。仕事など、一生懸命で手を抜かないような人ほど、上手くストレスを発散できません。
・ストレスを1人で抱える
誰にも頼れず、1人で抱え込むため、ストレスの発散を「お酒」「ギャンブル」「ショッピング」などに向けてしまうケースがあるのです。
ストレス発散のためにお酒を飲んでも、一時的な高揚感の後、落ち込んだり現実逃避をするためにまた飲酒するという悪循環に陥ります。
アルコール依存症になる過程
初期は精神的依存から始まり、進行するとお酒の離脱症状から身体的依存へと進んでいきます。
アルコール依存症の大きな問題
- お酒をやめたくても自分の意志でやめることができない
- 身体的に様々な病気を引き起こす
- 暴力等、問題行動を起こす
- 人からの信頼を失う、失職、離婚等、社会生活、家庭生活の破綻につながる
アルコール依存症のチェック
日本でよく使われているチェックリストです
もし疑われたら?
アルコール依存症は病気です。自分の意志では飲酒行動を止めることが出来ない病気です。まずは精神科や心療内科の受診をお勧めします。(アルコール依存症専門外来のある医療機関もあります)
また、地域の保健所、精神保健センターに、相談窓口があります。
最後に
自分自身の体験を振り返って、恐ろしいなと感じることは、飲酒行動がちょっとエスカレートしてしまうと、誰でもリスクはあるということです。特に、ストレスを抱えて、お酒がストレスの発散になっている場合は要注意です。
お酒は、適度に楽しむのが一番です。もしお酒を毎日飲んでいる人がいたら、ちょっとだけでも、頭の隅に知識として置いておいてください。病気になって初めて、「まさか自分が」と誰もが思うのです。
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